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アルプス牛生産者 青木さんのご冥福をお祈りします。

みなさまに親しまれている長野県の大鹿村産・アルプス牛について、 精肉を行っている「まあの」の小村さんより、生産者の青木さんがなくなられたとの連絡がありました。

がんの病床にあることは聞いており、闘病中でした。
青木さんはリニア建設運動にも反対し、地域活動の中心的存在でもありました。娘さんや息子さんも一緒に地域で活動しておられ、今後も家族で牛飼いは続けていくとの事、うれしい限りです。

まあのさんより報告が届いておりますので紹介します。

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7月12日朝5時5分、青木清さんは胆管ガンのため、自宅で亡くなられました。68歳でした。
お連れ合いの道子さんによれば、本当に静かな死であったということです。
当日娘の香糸さんから連絡をいただき、翌13日に、グリーンライフの花房さんと弔問のために大鹿村に出かけました。途中で安全農産供給センターの上田さんとも合流しました。

青木さんの家は自分で建てた大きなログハウスですが、その一室にお棺が安置してありました。
最後に黄疸が出ていたので少し顔が黄色くなっていましたが、穏やかなお顔でした。

道子さんが話してくれます。
「…最初は家族葬で、身内だけで済まそうと考えていたが、子どもたちの『やっぱりお世話になった村の人にも伝えないと…』との意見で、葬儀はしないが翌14日を「お別れの日」として、村の人たちにお別れを言いに来てもらうことにした。
15日火葬の予定。戒名はつけない」

…思えば青木さんは「非戦」の看板を家の周りに立て、平成の大合併時には「合併反対」のステッカーを車に貼って村内を走り回り、リニア反対の先頭に立ち、でも立場の違う人ともできる限り話せる道筋をつけ、何よりも阪神タイガースの大ファンの燃える人であり、子どもが大好きな優しい人でした。
あらゆる権威に懐疑的で、自由に生き切った青木さんらしい最期かもしれません。

道子さんのそばに息子の連さんもいます。
「これから肉質のばらついた牛が出るかもしれません」と、ちょっと自信なさげです。

でも彼にとって牛は生まれた時からそばにいました。小さい頃から牛の世話の手伝いをしていました。
今回も青木さんが弱ってくるのに合わせて、連さんが牛の世話を任されてきています。

道子さんが続けて話されます。
「この10年“あんじゃネット”(介護事業)の立ち上げから関わってきました。ようやく軌道に乗って次の世代も育ってきたので、私はそろそろ家に戻って、野菜を作ったり牛を飼ったりしたいと思っています」
「青木は最後まで治るつもりで、和牛の母牛を30頭まで増やしてきました。この世話だけでも大変」。

これも青木さんらしい前向きさの表れかもしれません。それとも残された者たちに「和牛は頑張れば経営の柱になるよ」と、テーマを残したということでしょうか。

つくづく私小村は、ラッキーであり、またアンラッキーだと思います。芦浜原発反対運動の闘士・上村さんや、天性の自由人・青木さんと出会えたことは肉屋として幸運なことで、お二人からは人間として大いに学ばせてもらいました。それなのに、上村さんは3年前に64歳で、今度は青木さんが68歳で、早々と先立って逝ってしまわれました。もっともっとお付き合いをしたかった。

なお、7月25日・26日の大鹿村ツアーは、予定通り行ないます。まだ空きがありますので、関心をお持ちの方はすぐご連絡ください。

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今後もアルプス牛は続きます。食べるという形で支援できればと思います。ぜひ応援して下さいませ。

また、文中にある大鹿村ツアーはまあのさん主催で毎年行われているものですが、急遽・脇田が参加させていただくことになりました。

牛舎やリニア工事予定地の見学も含まれておりますので、またレポートさせていただきます♪
by rinnesha | 2015-07-22 11:30 | 生産者について

愛知県津島市の小さな自然食品店。りんねしゃの日々あれこれ


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